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赤峯豪

水面の月


靄がかかった薄暗い森を僕は独り彷徨う 先はほとんど見えないけど どこか微かに見覚えのある景色だ 水辺に辿り着き 波に踊る光が見えた そこで気付いた ここは僕の内側で 自分でさえどこがどこかわからない 君を愛した僕はここにいる その想いは頼りなかったの 風が吹けば揺らいでしまうくらいに 僕は水に浮かんだ月 君へと向かう想いこそは揺るぎないものと思っていたんだ それでもここは僕の内側で 自分でこの薄暗い空晴らさなきゃ 君を愛した僕はここにいる 届かない想いだとしてもいい いつか揺れない光に変えてみせるよ きっと 水に浮かんだ月 君を愛した僕はここにいる 君にも入り込めない場所 ただ一つの小さな灯りは君への想い それだけは確かだ


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