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赤峯豪

見えざる手


時々ふと思うんだ 僕がいるこの世界は もしかしたら絶対的な存在がこの空のもっと上から見下ろして そいつの思い通りに動かされてるんじゃないかって 今までしてきたことも 失くしたものも 全部 始めから決まってたのかも それには一切抗えず あたかも自分の意思のように進むから 誰も気にもとめないけど 僕は気づいてしまった どうすることもできない見えない力が働いて 行きたくもない方向に行き 会いたい人には会えないみたいなんだ 「だったらもうそれなりでいい」 無気力に襲われ 僕はそれに身を任せる “なるようになる”か いや寧ろ“なされるようになる”だな あいつの仕業で君も去って行ってしまった 悪いのは僕じゃない 僕にはどうしようもなかった 僕だけはわかってるつもりだったのに この世界の仕組みが なのに何故か割り切れない気持ちが 僕は気づいてしまった 自分を守るためのこの妄想に 誰かのせいにしたらすごく楽で 弱さも見えないように隠してくれるんだ 無駄かもしれないけど 逆らってみてもいいかな 行きたい方向に行ってみる 君に会いに行くんだ どうすることもできない見えない力はなくなって 少し体が軽くなった 今ならためらわないで会いに行ける 僕は気づいてしまった この想いこそが見えない力になるんだ


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