top of page

常連さんの歌

  • 赤峯豪
  • 2018年5月31日
  • 読了時間: 1分

ここにいる自分を認めてもらった気になって

そんな小さくて些細な喜びも真実

大好きなとんかつ屋さん

「毎度、どうも!」と言われると

急に気恥ずかしくなるのか

それ以降なんだか行きづらくなると

呟いてる人がいたけど

僕は嬉しくなる

大好きな鉄板焼きのお店

今日も気さくに話しかけてくれる

その他愛もないおしゃべりが

その時間をただ一つのものにしてくれる

いつも押してくれるスタンプ一杯溜めよう

ここにいる自分を認めてもらった気になって

そんな小さくて些細な喜びも真実

冷たく濁った無表情なこの世間で

微かでも心が繋がった感覚にあったまる

だから僕らまた会おう

どこにでもあるいわゆるチェーンのイタリアン

食べ終わってお店を出るときには必ず

「行ってらっしゃい」と言ってくれる

これで今日の午後も頑張れる

そんな日がたくさんあった

絶品のカレーうどんを出してくれる居酒屋

イケメンの店員さんに緊張しながらも

自分もイケメンになったようなつもりで

笑いながら調子に乗って一緒に話し込んでる

下らない承認欲求だと言われればその通りだろう

そんな小さくて瑣末な実現も光

暗く乾いた無感動なこの社会で

わずかでも心が触れ合った感覚に潤う

だから僕ら必ずここでさ

また会おう


 
 
 

最新記事

すべて表示
ここに続く後先

気まぐれにはしゃいでたあの頃の僕ら 夢見たくて夢を語ってた 可能性は無限と信じ込んでた “期限つき”の若さの中 繋いでみたら掌だけじゃなかった 胸の奥の奥があたたかくて でもなぜか怖くて 期待してまた裏切ってる どれだけ強く願ってみても消えてく 涙がかわいたあとの虚しさ...

 
 
 
重なり

僕らが生きなきゃいけない世界では 誰かがまた誰かを傷つけてる 幼稚園で習った“やっちゃダメ”なこと いつまでも何故かやめられないその人たち 考え抜いた答えは一言で否定され続け 自分などここにはないと思わせる手口 お互いのそれぞれが その違いが重なった...

 
 
 
カラフルナセカイ

気づいていてもここには居ないから 普通の笑顔で言葉を交わす 静かに生きる 思いついたポーズ 虚栄と逃避を孕むくせに その綻びに雫が落ちて 波を打ち心を伝う 鈍色の嘘と真実 自分さえ欺く 頼りない関わりでも果実が実ると 七色の幻想からモノクロの現実...

 
 
 

Comments


© 2016-2025by Akamine Go. Proudly created with Wix.com

bottom of page